私がVIX投資において個人的に重視している株価急落の凶兆「ヒンデンブルグ・オーメン」について解説したいと思います。

ヒンデンブルグ・オーメンとは?

ヒンデンブルグ・オーメンは、1937年5月に米国で起きたドイツの飛行船「ヒンデンブルク」号の爆発事故に由来しており、この事故が同年7月の米国株暴落の予兆だったとする理論で、1995年に盲目の物理数学者であるジム・ミーカ(Jim Miekka)が考案。一度サインが点灯すると約41%の確率でパニック売りが発生、有効期間は40日程度とされます。ヒンデンブルグ・オーメンは、マイナーなテクニカル指標でしたが、リーマンショック後の2010年8月に現れた際に、マーケットで話題となって知られるようになりました。

ヒンデンブルグ・オーメンが点灯するとどうなるか?

過去のデータによれば、ヒンデンブルグ・オーメンが点灯された後、有効期間の40日以内に、以下のようなことが起こると言われています。また、1985年以降では、米株式市場が暴落した際は、いずれの場合も本シグナルが現れたそうです。

・77%の確率で株価は5%以上下落
・パニック売りとなる可能性は41%
・重大なクラッシュとなる可能性は24%

事例を挙げると、2015年6月から点灯して2か月後にチャイナショックが発生しています。また、2014年9月の点灯では国際通貨基金(IMF)の世界経済見通しの引き下げなどを材料に10月にかけ下落基調を強め、2013年4月の点灯時は当時のバーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が量的緩和策の縮小を示唆、5-6月に株価が急落する「バーナンキ・ショック」につながりました。

2017/3/13に点灯した時には、北朝鮮やフランス大統領選前の恐怖を大増幅させて、4月の相場急落につながりました。

北朝鮮問題といった株式市場としてはあまり大したことがないはずの材料で妙に暴落するのは、ヒンデンブルグ・オーメンがキャッチする株式市場のゆがみそのものが悪材料に過敏反応する原因なのではないかと個人的に考えています。

2018/9/25に点灯した時には、その後の10-12月でものすごい勢いで急落して米国の利上げ路線が完全にストップする事態になりました。

2019/5/10に点灯した時には、激しく急落し始めた段階で、6月初めにFRBが利下げを示唆することで止まりました。

2019/7/23に点灯した時は、米国株価最高値更新ラッシュが続いている最中でしたが、その後のFRBの利下げ継続否定という強気転換で、8月相場は急落しました。

このように、「ヒンデンブルグ・オーメン」が点灯すると株価の急落が起きる可能性があります。

ヒンデンブルグ・オーメンの点灯条件

現在、ヒンデンブルグ・オーメンの発点灯条件には諸説がありますが、主流なのは、以下の四つの条件が同じ日に起こった時に点灯するとされています。

1.ニューヨーク証券取引所(NYSE)での52週高値更新銘柄と52週安値更新銘柄の数が共にその日の値上がり・値下がり銘柄合計数の2.8%以上
2.NYSEインデックスの値が50営業日前を上回っている
3.短期的な騰勢を示すマクラレンオシレーターの値がマイナス
4.52週高値更新銘柄数が52週安値更新銘柄数の二倍を超えない

マクラレン・オシレ一夕ーは、「値上がり銘柄数-値下がり銘柄数」の19日移動平均から39日移動平均を引いたものなので、それがマイナスになるということは、短期的に値下がり銘柄数が増えていることを示します。

ヒンデンブルグ・オーメン点灯でなぜ急落するのか?

4つの条件を総合すると、ヒンデンブルグ・オーメンが点灯している相場というのは、「相場全体(インデックス)が上昇基調なのに、値下がり銘柄数が増えてきていて(マクラレン・オシレ一夕ーがマイナス)、高値更新銘柄と安値更新銘柄が多く入り混じっているカオスな相場」です。

行動ファイナンス的には安値更新銘柄に利用可能性バイアスが働き、値下がり銘柄が増えてきていることに群集心理を感じるのではないかと思います。

インデックスは良いはずなのに、最安値を更新している銘柄を見て不安を覚え、値下がり銘柄も以前より多くなってきているのを見て実は一部の銘柄が上がっているだけで下げ相場に向かうのではないかと疑念を抱き、「高値更新している銘柄も値下がり銘柄に同様に転じ、やがて同じように最安値更新をするのではないか?」と急激に恐怖に駆られて、手持ちの株を売却したい衝動に駆られやすいのだと思います。

ここに少しでも不安材料が出ると、その不安が一気に増幅されてパニックにつながると考えられます。

また、銘柄間の先行・遅行の関係について、上昇相場中に景気先行型の銘柄で安値更新や値下がり銘柄数の増加が起きている事をヒンデンブルグ・オーメンは的確に捉えていて、点灯後はやがて景気遅行型の銘柄も下落に転じることで全面安につながるとも考えられます。

まとめ

株価急落の凶兆「ヒンデンブルグ・オーメン」について簡単に持論を混ぜながら解説しましたが、いかがでしたでしょうか?

ヒンデンブルグ・オーメンが点灯するのは、その条件からNYSEインデックスが高値圏にいる時なので、「こんなに良い相場環境で点灯しても、ここから急落だなんて信じられない!」と感じることが多いです。

しかし、相場は他の人とは別の視点で考えないと勝つことはできません。

そういう意味でもこの「ヒンデンブルグ・オーメン」は面白い判断材料になると思います。

※あくまで参考程度にしていただければと思います。

それでは!