2/23のNY市場は米国債金利が警戒水準から下落し、株式市場は大幅高となりました。
ここで、一連のVIXショックの発端になった10年物米国債金利を見てみましょう。
こちらはトランプ大統領が当選した2016年11月からの日足チャートです。
大統領選前は1.7%ほどだった10年物米国債金利は、大規模な減税と財政支出を掲げるトランプ氏が当選したことで2.6%ほどまで急上昇するものの政権のごたごたで政策が進まずに2017年9月までに2.0%台まで落ち、その後急速に議会との関係が改善して減税議論が進むことでじりじり上昇し、トランプ減税が可決した2017年12月下旬から金利上昇ペースが急速化し3%手前まで上昇しました。
金利上昇は当初は金融機関のマージンを高めるものとして好感されて株高を誘発しましたが、一定水準を超えてくると支払利息増加による企業収益の悪化や米国債への投資妙味(低リスクで配当利回りに近い収益が得られる)が出てくるから株への投資資金が避難しやすい状況になります。
そこにVIXに連動するファンドによる増幅の仕掛けがかかって、相場は急変したわけでしょう。
(個人的には3%くらいならそこまで大したことはなく、4%近くなったらいよいよやばいかなという雑感ですので少し過剰反応しすぎかなとも思います)
そんな中、昨日(2/23)は予想外に米国債が買われて金利が下がり、大きな陰線を付けて2.9%を下回ったことから相場は大きく反転したわけですね。
チャートを見る限りでは、まだ米国債金利の急上昇トレンドがブレイクしたわけではなさそうですし、月末は米国債の買いが入りやすいのでだましの可能性もあるかもしれませんね。
恐怖指数VIXについて
2/23の恐怖指数VIXは、大きく下落して現在は16.5付近で推移しています。
VIX先物カーブも見てみましょう。
ついに、期近物が期先物より低いコンタンゴ状態に転換しました!
以前の記事「米金利急上昇で米株暴落&恐怖指数VIX先物はバックワーデーション突入!(2018/2/3)」であるように、2/2にバックワーデーション入りしたので約3週間ぶりのコンタンゴですね。
オーソドックスなVIX投資戦略の一つに、バックワーデーションへの転換でVIX買い(ロング)、コンタンゴへの転換でVIX売り(ショート)というのがあるのでそれに従うのであれば、VIXショート再開のタイミングなのでしょう。
いやぁ、2/2のバックワーデーション入りを見て、週明け2/5にVIXショートをロングに転換していれば、翌日の記事「恐怖指数VIX超急騰で「2049 VIXインバースETN」は強制償還!96%安の紙くずに!(2018/2/6)」のような火傷しないで済んだのに・・・ですね。
今後の投資について
現在考えているVIX投資戦略としては、以下の2つを考えています。
- コンタンゴ、バックワーデーション具合を見て加減しながら中期低レバで行うVIXショート投資
- VIXの低すぎ・高すぎに合わせてロングショートを使い分ける短期アクティブ投資
今回は、1の戦略でコンタンゴに転換したので、米国債の動きを見ながらVIXショートを20%くらいまで徐々に仕込みたいと思います。
VIXショック時に2の戦略発動でショートできたら気持ち良かったのですが、地道に1の戦略で細々と稼ぐしかないですかね。
目先の相場予測は弱気なので、警戒しながらやっていきたいと思います。
それでは!