VIX短期先物ETFこと「1552 国際のETF VIX短期先物指数」の200倍併合が決まりましたのでポイントをまとめます。
また、主要投資対象の変更もアナウンスされましたので、こちらも下部で解説します。

併合の理由としては100円割れを起こした安すぎる基準価額です。
このETFは2010/12/15に基準価額13092円で上場しましたが、2017/5/26時点の取引値が98円にまで落ちています。
ここまで下がると、1円の変動で1%以上の変化になりスプレッドが大きくなりすぎですし、逆日歩が発生すると最低5円が日証金のETFに対するルールなので、5%以上の損得が逆日歩により発生してしまい、かなり問題のある状況でした。

これで、まともにVIXショート投資ができます。
しかしまぁ、併合するのが遅すぎです。本当は1000円を切った時に実施すべきでした。
(投資信託の受益権併合は、本件がわが国で初めての実施となり、過去に前例がないそうなので手間取ったみたいです)

参考までに、上場来の月次チャートを見てみましょう↓
えげつない落ち方ですね・・・。2011年8月の米国債ショック(ギリシャショック再燃&米国債格下げ)で急上昇して以降は、ずんずん落ちてその後の値動きが見えません。月次平均リターンは-4.77%です。

三菱UFJ投信の公式アナウンス↓
「国際のETF VIX短期先物指数」 重大な約款変更に係る書面決議基準日設定および 受益権併合のお知らせ」
http://www.am.mufg.jp/text/20170523_160001.pdf

ポイントの抜粋

200:1 の比率で併合します。これは併合前に100円×200口(合計2万円)を保有していた場合、併合後は20000円×1口(合計2万円)になります。
(併合による資産総額の変更はない)

・併合時期は、平成 29 年 9 月 12 日
(9月12日分の取引から併合後の口数が適用され、3営業日後の9月15日から併合された口数で受け渡す)

・併合後1口(併合前の200口)に満たない端数部分については、一括売却し、その売却代金(端数処理代金)を返金。

・本ETFは、継続して東京証券取引所に上場され、売買取引は引き続き可能。特別な手続きは不要。

・平成 29 年 6 月 8 日時点のETF保有者に平成 29 年 7 月 13 日頃、約款変更に関する書類が送付される。

・平成 30 年 8 月 14 日に主要投資対象を指数連動有価証券から、外国有価証券指数等先物取引に係る権利および米国国債等に変更
(特に影響はありません。下記参照)

主要投資対象の変更って何よ?

同一文書内でアナウンスされましたが、「主要投資対象を指数連動有価証券から、外国有価証券指数等先物取引に係る権利および米国国債等に変更する」とありました。どういうことでしょうか?

本来、VIX短期先物投資ファンドというのは、以前の記事「成り上がりの切り札「VIXショート投資」について」で説明した通り、常に加重平均した満期までの期間が一定になるように毎営業日、期近のVIX先物を売却し、期先のVIX先物を購入するロールオーバーをします(コンスタントマチュリティ(CM)という取引手法です)。

ところが、実はこの「1552 国際のETF VIX短期先物指数」では、VIX先物には一切投資せずに、そのように運用したときの値動きに連動する債券(指数連動有価証券)を、バークレイズとJPモルガンチェースから買って保有していただけだったのです。

三菱UFJ投信の社員にとっては毎日VIX先物取引をしなくてよいので楽々なのですが、それだとバークレイズやJPモルガンチェースがつぶれた場合、VIXとは関係なくこのETFは焦げ付きます(信用リスクがあるということですね)

同様にファンド・オブ・ファンズを利用した投資信託の場合、日本の投資信託会社が海外に投資するのに海外金融機関のファンドを買って楽をしていて、「投信の中に投資と関係ない海外金融機関の信用リスクがあるやんけ!規制したろ!」と金融庁が好判断をしまして、「分散投資規制」という規制ができました。

この規制に対応するため、このETFは「今度からはまじめに毎日VIX先物取引するよ!」と方針転換をするので、主要投資対象が(海外金融機関の)指数連動有価証券から、外国有価証券指数等先物取引に係る権利(VIX先物投資)に変更するということです。
米国国債等も投資対象に選ばれたのは、VIX先物は最低限の証拠金があればよいので、残りの資金を現金で寝かしておくのではなく、短期の米国債やマネーマーケット等の安全なドル資産で運用するということです。

そのため、このETFの商品性や値動きは従来通りで、バークレイズやJPモルガンチェースに対する信用リスクだけがなくなったと解釈できるでしょう。

それでは!