よく資産運用の説明をする際に、以下のように卵を例に挙げることが多いです。

卵をひとつのカゴに盛って運んでいて、万一落としてしまうと全部割れてしまう。だからカゴをいくつかに分けて運べば万一ひとつを落としても全部割れてしまうことはない。割れていない卵がその後、親鳥になりいずれもとより増えるのですから。

そのため、ポートフォリオを作るときに「国内、先進国、新興国」といった国や地域で分け、「株式、債券、REIT」といった資産に国際分散投資することが推奨されます。

これは正しい考えなのでしょうか?
試しにインデックス投信シリーズの「eMAXIS」の10個のファンドを見てみましょう。

まずは、eMAXISのここ3年間のリスクリターンです。
ここ3年は2度のチャイナショックがありながらも最終的には緩やかに上昇しています。

最もリスクが高いNYダウが最もリターンが良く、最もリスクの低い国内債券はリターンが低い感じです。

さて、分散投資ではこれらの資産を組み合わせて、分散効果でリスクを下げるのですが、
その分散投資の効果は、相関係数が低いほど有効に発揮されます。
相関係数は、-100%~+100%までの値を取り、資産間の相関係数がプラスに強いと同じような動きをするので分散効果は低くなります。

下の図は、過去3年間の10個のインデックスファンドの相関係数と、チャイナショック発生後1年間の相関係数の比較です。
チャイナショック(下落局面)でどう変化したかを色付けしています。

こう見ると、先進国リートは通常時は他の資産との相関係数はそこそこでリターンもそこそこなので、良い分散投資先と判断できそうですが、ショック発生後には相関係数が急上昇し、ほとんどTOPIXやNYダウ、市先進国株式と同じ動き担っていると思います。

そう、日本で大ブームになったUSリート系のファンドは、リスクがピンチの時だけ分散効果が消失するということですね。

逆に先進国債券ファンドはショックが起きると相関係数が下がってますので、平時では為替リスクの割に大したリターンがないと思われがちですがショックには思ったより強いことがわかります。(ショックが起きると金利が下がって債券価格は上昇しますからね)
ただ減るといっても、プラスにそこそこ大きい数字ですのでリターンが少ない割には投資する価値は低いと思われます。

また、相関係数が上昇している赤っぽい表記が多いのが、新興国関連のファンドで、ショックが起きると相関係数が上昇し、分散効果が消失しやすいようです。これはショックが起きると、新興国投資に流れていた先進国マネーがリスク回避で逆戻りするためです。

何が言いたかったかというと、先進国リートや新興国投資は思った以上に分散効果が得られず、ピンチの時に役に立たないということです。これらは所詮タイミングを見て投資するものなのですね。

国際分散投資をすればなんでも良いというものではないのです。

危機に強いポートフォリオにするには、他の資産とのマイナスの相関が強い国内債券(ほぼ無リスク資産)と、ハイリスク資産を混ぜて作ることが大事ということで、リスク資産同士を分散させても大した分散効果は得られないということですね。

中リスクのポートフォリオを作るのも、中リスクのファンドを組み合わせるのではなく、低リスクファンドと高リスクファンドを組み合わせる方がピンチの時でも分散効果がしっかり働くということです。

この話は「ブラックスワン」のタレブの答えと一緒ですね。彼も無リスク資産とハイリスク資産の組み合わせがブラックスワンへの対抗策だと言ってました。

私もそれを意識して、現金と超ハイリスク投資の組み合わせで臨むようにしています。

それでは