
日経平均(日経225)は国内ETF/投信の中で最も活発に取引されているインデックス(連動指標)です。
ETF/投信だけなく、日経平均先物やオプション等、数多くの専業のプレイヤーが国内外にうごめいてます。
では、タイミングをみてインデックス投資するサラリーマン投資家である私はどう投資すべきでしょうか?
まずは日経平均インデックス投資の対象となるETFを3つに絞り込み、紹介します。
目次
日経平均インデックス投資の対象となる3つのETF
日経平均をインデックス(連動指標)とするETFはたくさんありますが、最も売買が盛んで流動性が確保されている以下の3つをおさえれば十分です。
(これらの他にも信託報酬が安いETFもありますが、流動性リスクに比べれば微々たるものでよほど長期投資をしない限り無視しても構いません)
銘柄コード | 銘柄名 | 大カテゴリ | 中カテゴリ | インデックス(連動指標) |
1321 | 日経225連動型上場投資信託 | 1_国内株 | 1.1_日経平均 | 日経225 |
1570 | NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信 | 1_国内株 | 1.1_日経平均 | 日経平均レバレッジ・インデックス |
1357 | NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信 | 1_国内株 | 1.1_日経平均 | 日経平均ダブルインバース・インデックス |
1321 日経225連動型上場投資信託
日経平均の値動きに連動するETFの中で最も売買が活発なETFで、国内ETF投資の基本中の基本です。
他の2つのレバレッジ型ETFと異なり、長期投資における減価がありませんので、中長期投資に向いており、割安な時に買ってじっと持つ時や日経レバを買うほど自信がない時にはこちらを買います。
1570 NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信
通称「日経レバ」です。東証の売買代金ランキング1位の常連で日本一流動性のある証券でデイトレでも人気です。基本的な仕組みとしては、日経平均の値動きの2倍の値動きをします。日経平均が1%上がれば、日経レバは2%上昇するように設計(日経平均先物のポジションを持って運用)しています。
注意点は、すべてのレバレッジ型ETFに共通することなのですが、上下に揉み合う値動きをすると減価することです。
例えば、日経平均が1%上がって、翌日に1%下がって、翌々日に1%上がった場合、トータルで日経平均は0.99%上昇しますが、日経レバは2倍の1.98%ではなく1.96%の上昇に留まり、0.02%減価したということになります。
そのため、短期投資であれば気になりませんが、長期投資では影響が大きいので向いていません。一方、この減価は日々の上げ下げで生じ、連日上昇する場合はむしろ増価するため、日経平均が連日上昇待ったなしと思った時に買います。
1357 NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信
通称「日経ダブルインバース」です。こちらも売買代金ランキングの常連です。
日経レバとは正反対に、日経平均の値動きの-2倍の値動きをします。
日経平均が1%下がると、日経ダブルインバースは2%上がります。
注意点も日経レバと同じで長期の減価があるので、日経平均が連日値下がり待ったなしと思った時に買います。
3つの日経平均ETFの使い分け
日経平均の予想とその自信に応じ3つのETFを使い分けます。
予想 | 予想の自信 | 投資するETF |
日経平均が上がる | 自信あり/連日上昇待ったなし | 日経レバ(1570) |
割安感がある/将来的に上がるかも | 日経225連動投信(1321) | |
日経平均が下がる | 自信あり/連日下落待ったなし | 日経ダブルインバース(1357) |
割高感がある/将来的に下がるかも | 現金 |
こう書くとレバレッジ型ETFの日経レバと日経ダブルインバースの2つは、なかなか手が出ないなという感じになりますが、実際、デイトレードできないサラリーマン投資家にとっては滅多に手を出すべきものではないかと思います。
さて、続いては私の日経平均のタイミング投資戦略についてです。
私のタイミング投資戦略における投資タイミングは3つ
基本的に、同じ相場は二度と現れず、毎回背景や状況が異なるため、将来の予測や投資はとても難しいものですが、何年かに1回は勝率が高い以下の3つのタイミングがあります。
①暴落時の安い水準で買う
②大きく上昇しそうな政治イベントが起きた時に買う
③金融危機の初期に売る(インバース型ETF/投信を買う)
①暴落時の安い水準で買う
安い時に買う、タイミング投資の基本ですね。
何をもって安いとするかは難しいですが、私は下落相場では日経平均PBRを目安にするのが良いと思います。
日経平均PBRは簡単に言うと、日経平均を構成する銘柄の時価総額が、純資産(資産から負債を除いたもの)の何倍あるかという日経平均の割安感の指標です。
(指数への組入比率ではなく、時価総額の加重平均なので厳密な指標ではないけどあくまで目安)
下に日経平均株価と日経平均PBRの推移を載せてますが、PBRが1倍を目途に下げ渋ります。
不景気時には、赤字により純資産が減るので先を見越して0.8倍くらいまでオーバーシュートすることがありますが、PBR1倍で買えば大きく負けることはなく、タイミングとしては悪くないでしょう。
リーマンショック後の日本株は民主党政権という重大ペナルティがありましたのでなかなか回復しませんでしたが、日経平均PBR1倍付近で日経225連動投信(1321)を買ってじっとしておけばなかなか良い投資結果になったと思います。
また、昨年のBREXITの時の日中に、久々に日経平均PBRが1倍にタッチしましたが、すぐ戻してます。

2017/3/24現在の日経平均PBRが1倍になる水準は、15,048.85円です。
今後、大ショックが起きたら15000円でインデックス投資を始めれば、まぁ負けない、勝つまで持ち続ければ良いということです。
実際、そういう状況になると周囲が過度に悲観するので、踏み出すのに勇気がいりますがそこは清水の舞台から飛び降りる気持ちで、行くしかないですね。
(当時は、日経平均7000円割れたとしても底打ち感は薄いというロイターニュースが流れたものです)
【2019年8月31日追記】
米中の貿易戦争懸念により2019年に入ってから日経平均PBR1倍水準に瞬間タッチが起きています。私もここが投資のポイントとみて買っています。
日経平均PBR1倍水準(BPS)はどんどん伸びており、2019年8月時点では20.000円超と過去最高値を更新しています。それなのに日経平均株価が伸び悩んでいるというのはそれだけ割安ということになります。

②大きく上昇しそうな政治イベントが起きた時に買う
株価全体の大幅な上昇は、(資本主義経済にとって)良い政治イベントがあったときに起きやすいです。
最近だと、自民党政権への復帰、日銀の黒田総裁爆誕とかトランプ大統領当選ですね。
私もトランプ大統領当選の時は、共和党が上下院を制してねじれがなくなり、本格的な共和党政権となり、資本主義が加速すると予想したのですが、それほど自信がなかったので日経レバではなく、日経225連動投信(1321)と外株インデックス投信に全力投資しました。
①の時のようにテクニカルなものではなく、世の中の動きを見て判断するので難しいですが、投資目的抜きにしても政治経済の動向の把握は面白いと思います。
③金融危機の初期に売る(インバース型ETF/投信を買う)
危機というのはいろいろとありますが、戦争、テロ、BREXIT等の政治的危機は直接の相場影響はそれほど深くなく、回復も早く、イベントが起きてから売る(インバース型ETFを買う)と大失敗するリスクがあります。
しかし、金融危機は別物で、一旦ことが起こると根が深いことが多く、信用収縮、流動性逼迫、逆資産効果など金融の連鎖的ダメージが起こり、金融以外の業種にも時間差で波及していき、公的救済が出ないと中々止まりません。
そのため、金融危機が起きたときは、動きの鈍い政府が救済を考えるまで、日経ダブルインバース(1357)を買えばよいのです。
(CFDが使えるなら、夜中でも使えるのでそれでショートしても良いでしょうね)
ただ、この先、金融危機が起きるかどうかは今のところ怪しいです。
リーマンショックの苦い経験を教訓に、オバマ政権は非常に厳しい規制を行ったので、アメリカの金融機関はかなりリスクを抑えられていますし、EUも危なそうな金融機関には未然に対策を促して、金融危機を防ごうとしています。
トランプ政権が金融機関への規制緩和を行う予定で、金融機関のコンプラ担当者のリストラが始まりつつありますが、そこから金融機関が過度なリスクテイクをして爆発するまで時間はかかると思います。
あるとしたら、中国のシャドーバンキングですが、問題があるとわかっていてもいつ表沙汰になるかが未知数です。
日経平均ETFタイミング投資戦略のまとめ
上記3つの戦略をイメージすると以下のような感じです。
イメージでは、金融危機の発生を前提にしましたが、実際には金融危機は起きずに政治ショックや円高絡みで割安になったところをタイミング①で拾ったりといったケースの方が可能性は高そうです。

以上が現在のところの日経平均ETFタイミング投資戦略です。現在はタイミング待ちです。
この戦略が発動するタイミングは、今後いつになるかわかりません。
今年中に起きるかもしれないし、5年後かもしれません。
そのため、日経平均以外の投資対象に対してもタイミング投資戦略を同時並行で運用して、できるだけ投資機会を増やしていきたいと思います。